認知症とは
認知症とは、様々な原因(老化、ケガや病気、生活習慣病、精神的な負担など)で記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす「症候群」を示す言葉です。
認知症の特徴的な症状
- 記憶障害
- 失語、失行、失認
- 実行機能障害
認知症は4段階
程度 | 症状 |
軽度 | ①テレビや新聞のニュースに関心がない ②話題が少なく、同じことを繰り返す ③家事や仕事でミスが増える |
中程度 | ①慣れない場所で道に迷う ②同じ品物を繰り返し買う ③金銭管理が十分できない |
高度 | ①慣れた場所で道に迷う ②食事したことを忘れる ③昼夜が逆転する |
最高度 | ①自分の名前が言えない ②家族と他人の区別ができない ③話ができない |
認知症の日常生活自立度の判定基準
認知症を有する人が、日常生活において家庭内や社会的に「自立」「助けがあれば自立」「介護を必要とする」「専門医療を必要とする」の判定基準と症状と対応
ランク1
判定基準
認知症を有するが、家庭内・社会的自立はできている
対応
- 在宅生活が基本
- 一人暮らしも可能
- 相談、指導で等症状の改善や進行の阻止を図る
ランク2a
判定基準
家庭外での日常生活で支障をきたすような、症状が行動、意思の疎通の困難さが多少みられても、誰かの注意があれば自立できる。
症状
- たびたび道に迷う
- 買い物や事務など
- 金銭管理にミスが目立つ
対応
在宅生活が基本だが、一人暮らしは困難な場合もあるので、日中の在宅サービスの利用などで、支援と症状の改善及び進行の阻止を図る。
ランク2b
判定基準
家庭内でも日常生活で支障をきたすような、症状が行動、意思の疎通の困難さが多少みられても、誰かの注意があれば、自立できる。
症状
- 服薬管理ができない
- 電話や訪問者との対応や、留守番ができない
対応
在宅生活が基本だが、一人暮らしが困難な場合もあるので、日中の在宅サービスの利用などで、支援と症状の改善及び進行の阻止を図る。
ランク3a
判定基準
- 日常生活に行動やランク2a・2bより、意思疎通の困難さが重度ではあるが、一時も目を離せない状態ではない。
- 日中を通して日常生活に症状や行動に支障や困難がみられ、介護が必要とされる。
症状
- 着替え、食事、排便、排尿が上手にできない
- やたらに物を口に入れたり、物を拾い集める
- 徘徊、失禁、大声、奇声、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等がある
対応
在宅生活が基本ではあるが、一人暮らしは困難であるため、夜間の利用も含めた居宅サービス利用で在宅での対応を図る。
ランク3b
判定基準
- 日常生活に行動やランク2a・2bより、意思疎通の困難さが重度ではあるが、一時も目を離せない状態ではない。
- 夜間を中心として日常生活に症状や行動に支障や困難がみられ、介護が必要とされる。
症状
- 着替え、食事、排便、排尿が上手にできない
- やたらに物を口に入れたり、物を拾い集める
- 徘徊、失禁、大声、奇声、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等がある。
対応
在宅生活が基本ではあるが、一人暮らしは困難であるため、夜間の利用も含めた居宅サービスの
利用で在宅での対応を図る。
ランク4
判定基準
- 常に目を離すことができない状態
- 症状・行動はランク3a・3bと同じだが、頻度の違いにより区分される
- 日常生活に症状や行動に支障や困難が頻繁にみられ、常に介護が必要とされる
症状
- 着替え、食事、排便、排尿が上手にできない
- やたらに物を口に入れたり、物を拾い集める
- 徘徊、失禁、大声、奇声
- 火の不始末、不潔行為、性的異常行為等がある
対応
- 家族の介護力等の在宅基盤の強弱により、在宅サービスを利用しながら在宅生活を続ける
- 特別養護老人ホーム・老人保健施設等の施設サービスを利用するかを選択する。
ランクM(専門医療を必要とする)
判定基準
著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患がみられ、専門医療を必要とする。
症状
せん妄、妄想、興奮、自傷、他害などの精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態。
対応
ランク1~4と判定されていた高齢者が、精神病院や認知症専門棟を有する老人保健施設等での治療が必要となったり、重篤な身体疾患が見られ老人病院等での治療が必要となった状態である。
専門医療機関を受診するよう勧める必要がある。
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